日本での留学生活って?~ 外国人留学生受け入れの実態

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日本国内には約12万4000人(2008年5月時点)の外国人留学生がいます。2000年の約6万4000人と比べ、2倍近くに増加したことになります。2008年には「留学生30万人計画」の骨子が政府により発表され、今後も留学生の増加が見込まれます。今回は、留学生受け入れの現状と、外国人留学生の留学生活を紹介します。

★私費留学、アジア出身が9割を占める
留学生とは、「出入国管理及び難民認定法」に定める「留学*1」の在留資格を有する外国人。主に、日本の大学・短期大学・高等専門学校等で教育を受ける外国人学生が該当します。留学生は、「留学」の在留資格では、就労は認められていませんが、資格外活動許可*2を得れば一定時間内の就労が可能です。
 独立行政法人日本学生支援機構*3(以下、JASSO)の統計「平成20年度外国人留学生在籍状況調査結果」によると、2008年5月1日現在の全国の留学生数は、12万3,829人。そのうち、私費留学生が全体の9割近くにあたる11万1,225人、文部科学省から奨学金を受けている国費留学生が1割に満たない9,923人、特定の国*4の政府の奨学金を受けている外国政府派遣留学生が2,681人となっています。また、愛知県内の留学生数は約6,131人で、都道府県別では、東京(約4万2,371人)、大阪(約1万289人)、福岡(約6,613人)に次いで全国第4位にあたります。
留学生の出身地は、アジア地域が92.2%と圧倒的に多く、次いで欧州が3.1%、北米が1.9%と続いています。
 
★2020年までに留学生30万人の受け入れを
留学生の数は1998年度から2003年度にかけて急増、その後は前年度を下回る年度もあるものの、2008年度は過去最高となりました。この留学生の増加には、政府の政策が背景にあります。
1983年に作られた「留学生10万人計画」は21世紀初頭までにフランス並みに10万人の留学生受け入れを目指すもので、この目標は2003年に達成。そして、2008年7月、文部科学省のほか外務省などの関係省庁は、2020年を目途に30万人の留学生を受け入れようとする「留学生30万人計画」に向けて動き出しました。
 この政策は、「グローバル戦略」の一環として、優秀な留学生を戦略的に獲得していくことを目的とし、日本留学の動機づけから、入試・入学・入国の入り口の改善、大学等や社会での受け入れ、就職など卒業・修了後の進路に至るまでを関係省庁・機関等が総合的・有機的に連携して計画を進めようとするものです。
 30万人受け入れの実現に向けて、文部科学省は、名古屋大学、東京大学、大阪大学など13大学を今年度の国際化拠点大学としました。これらの大学では、国際競争力のある学部・学科において、英語による学位取得コースの設置や留学生に対する専門相談員による生活支援、4月以外の入学時期の促進など、留学生の受け入れに関する体制の整備等の実施が求められます。

では、日本に来ている留学生は実際どのような目的で日本を選び、どんな生活をしているのでしょうか。2名の留学生にインタビューしました。


★潘(ぱん)珍(ちん)さんの留学生活

中国・福建省出身の23歳、女性。中国の大学で経営学を専攻。交換留学生として、2年間の予定で、今年3月に来日。日本語は初級レベル。現在は愛知県内の大学で日本語を中心に勉強。国際留学生会館(☆)に入居。中国でのクラブ活動で、太極拳、中国ゴマ*5の経験がある。

Q 日本留学を決めた理由は?
経営学の勉強を通して知った、日本の一般的な雇用慣行といわれる「終身雇用制度」に興味を持ち、日本で勉強したいと思ったからです。

Q 留学の費用は?
私費留学です。現在は奨学金も受けていません。学費・生活費は両親が負担しています。

Q 留学していて一番大変なことは?
まだ日本語が分からないこと。日本語能力が十分でないので、今年はしっかり日本語の勉強をして、来年には経営学を学びたいです。

Q お住まいは?
国際留学生会館です。大学で紹介してもらいました。家賃も安いし、パーティーなどもあるので、他の留学生や日本人との交流ができて楽しいです。

Q 勉強以外に頑張っていることは?
日本人との交流です。毎週土曜日に太極拳と中国ゴマを教えています。参加者のほとんどが日本人です。日本語を上達させたい、日本人と交流したい、そして中国文化を知ってほしいと思って始めました。 

Q 今後の予定は?
いずれは大学院に進みたいと思います。


日本人参加者に太極拳を教える潘さん(左)

★Aさんの留学生(本人の希望により匿名)
中国出身、女性。中国の大学で日本語を専攻、日本語教師として勤めた経験がある。日本語はとても流ちょう。2002年から留学。現在は名古屋大学の大学院博士課程。研究テーマは比較文学で、特に中国と日本の近代詩が専門。

Q 日本留学を決めた理由は?
中国で4年間日本語を勉強しましたが、実際日本に行って、日本語能力をもっと磨きたいと思ったからです。

Q 留学の費用は?
私費留学です。交換留学生なので、昨年までの学費は免除されていました。留学を始めたころは両親が生活費を仕送りしてくれていましたが、現在は月8万円支給される民間の奨学金と週2日のアルバイト収入でやりくりしています。

Q お住まいは?
海外留学生向けアパート。面接に合格したので入居できました。家賃が安いので、大変助かっています。自分で賃貸すると家賃が高いので、とてもやりくりできません。

Q 日本留学のメリットは?
日本もそうだと思いますが、中国も学歴社会。まず、学位の取得。次に、日本の研究の仕方、日本人のまじめさ等を学び、今後の自分の勉強や仕事に活かせること。

Q 留学で一番大変なことは?
お金。どうやりくりしたらよいか、常に心配です。

Q 勉強以外に楽しいことは?
毎年、日本の夏のイベントを楽しみにしています。お祭に行ったり、浴衣を着たり…。自分の目でそういう文化を確認できることがいいですね。

Q 就職はどうしますか?
博士課程を修了した留学生の多くは国に帰ると思います。私も日本での就職は考えていないので、中国で大学講師などの職に就きたいです。 

★半数以上が日本での就職を希望
2007年度にJASSOが行った「私費留学生生活実態調査*6」では、卒業後の進路希望について、約61%が「日本において就職」、次いで約39%が「日本において進学」と回答しています。
名古屋外国人雇用サービスセンターと愛知県は共催で、外国人留学生の日本での就職を支援するため、年1回、「留学生のための就職フェア」を開催しています。今年7月4日、名古屋国際センター展示室にて行われたフェアには、14社の企業が参加し、309名の留学生が来場。留学生はそれぞれ関心を持つ企業のブースを訪れ、企業担当者から説明を受けました。 


今年7月4日に行われた就職フェアの様子(提供:愛知県地域振興部国際課)

この地域にも多くの留学生が暮らしています。今後も「留学生30万人計画」により、より活発的な受け入れと支援が進むと思われます。社会が優秀な人材として留学生を受け入れ、サポートしていくため、大学、企業、そして地域等の連携が求められます。

 

NICが2001年から管理・運営している、名古屋市港区にある留学生専用の宿泊施設。居室90室(単身室80室、夫婦室10室)のほか、研修室や和室、体育室などを備え、100名の留学生が生活できます。愛知県内の大学等で学ぶ留学生がこの地域での生活に早く溶け込めることができるよう、日本文化理解講座や情報提供、各種相談を行い、留学生の勉学と生活の両立に努めています。そのほか、留学生を講師とする外国語講座や外国紹介講座(秋季講座の受講者募集はP8を参照)を開講し、地域の方々との交流を図っています。

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*1 出入国管理及び難民認定法で「本邦の大学若しくはこれに準ずる機関、専修学校の専門課程、外国において12年の教育を修了した者に対して本邦の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門学校において教育を受ける活動」と定められている。
*2留学生の資格外活動時間の上限は、1週について28時間以内(教育機関の長期休業期間にあっては、1日8時間以内)。
*3 奨学金貸与事業、学生生活支援事業、留学生支援事業を行うことにより、国内の大学等で学ぶ学生等に対する適切な修学環境の整備、次代の社会を担う人間性を備えた創造的な人材育成、また国際相互理解の増進への寄与を目的とする独立行政法人。
*4 マレーシア、インドネシア、タイ、シンガポール、アラブ首長国連邦、クウェート、サウジアラビア。
*5 空中で回転させるタイプの独楽(こま)。お椀を2個繋げたようなコマを2本のハンドスティックに通した糸でまわすことにより安定させ、操る。
*6 私費外国人留学生の中から無作為抽出により、7,000人に対してアンケートを送付、5,754人から有効回答(回答率82.2%)があった。

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★参考資料

・入国管理局 www.immi-moj.go.jp
・(独)日本学生支援機構 「平成20年度外国人留学生在籍状況調査結果」 http://www.jasso.go.jp/statistics/intl_student/data08.html 
・文部科学省 www.mext.go.jp
・(独)日本学生支援機構 www.jasso.go.jp
・「日本に住む外国人留学生Q&A」 高松 里著 2005年
・日本経済新聞 2009年7月13日
・中日新聞 2009年7月26日

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