一枚のはがきではじまる国際協力 “世界寺子屋運動”

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“世界寺子屋運動”は国際識字年(1990年)をきっかけに(社)日本ユネスコ協会連盟によって始められた運動で、現在は「2015年までにすべての人々に教育を」をスローガンに途上国への教育支援を行なっています。

(財)名古屋国際センターが事務局を担う“世界寺子屋運動”名古屋実行委員会では、市民の皆様から寄せられた書き損じはがきの回収などを通じた協力活動を展開し、資金を作り、各国の識字教育プロジェクトへ支援しています。2009年に実施された第20次支援のうち、アフガニスタン、インド、ネパールの3か国、3つのプロジェクトに総額
450万円の支援金を送りました。
プロジェクト現場からの報告をお届けします。(写真提供:(社)日本ユネスコ協会連盟)


実施団体とは?
実際に寺子屋の建設、運営を行う団体で、国によって異なる。(社)日本ユネスコ協会連盟が調査し、信頼がおけると判断した現地の団体であることが多いが、(社)日本ユネスコ協会が、現地事務所を構え、国の機関をパートナーにして、実施しているプロジェクトもある。

寺子屋運営委員とは?
村の長老、教育関係者、識字教室の卒業生などがメンバーとなり、現場のニーズに応じた
プログラムの企画をし、運営方針を決める。また、自立して運営するための資金集めなども行っている。


アフガニスタン

プロジェクト名:アフガニスタン寺子屋プロジェクト
実施団体:日本ユネスコ協会連盟アフガニスタン事務所、_
      アフガニスタン教育省識字局
主な対象:子ども、成人

 首都カブールの北に位置するパルワン県センジットダラ村で7年間にわたって寺子屋で学習を続けたシバさん(21歳)は、読み書きの基礎をしっかりと身につけたということで、中学校一年生に編入が決まりました。そして、過去の自分のように読み書きのできない女性のために何かしたいとの思いから、識字教室の先生になる決意をしました。昼間は中学校に通い、放課後、自分の家を使って寺子屋を開き、同じ地域に暮らす18名の女性に教えています。アフガニスタンの社会、特に地方では、まだまだ男尊女卑の考え方が根付いており、女性が表立って社会で活躍することは多くありません。学校に行くチャンスのなかった少女が寺子屋で社会貢献の機会をつかみました。


 村で初の女性教員になったシバさん     

 カブール県ミルアフガン村では寺子屋運営委員*2を対象に研修会が開催されました。研修会では、受益者の拡大、洋裁のクラス、大工の授業、農業のプログラム等、現地のニーズに応じた多様なクラスの提案が出されました。寺子屋運営において、委員の力量や視野は寺子屋に通う生徒に大きな影響を与えます。運営に対して色々な見方のできる委員が増えることが望まれます。

 バーミヤン県ハイダラバード村の寺子屋では、識字クラスのほか、英語や宗教のクラスが開催され、多くの参加者に人気です。地域住民にとって寺子屋は憩いの場であり、自分達の居場所を感じられる場所であるようです。継続的に学びの場として通ってもらうためには、このように考えてもらうことはとても嬉しいことです。今後も寺子屋が彼らにとって生活の質を向上させるための可能性あふれる場所として利用されていくことが期待されます。


インド

プロジェクト名:インド・ゴカック・プロジェクト(コミュニティ学習センターを核とする農村社会開発事業)
実施団体:ベルガウム農村開発協会(BIRDS)
主な対象:非就学児童、成人女性(15歳以上)、青年(18〜40歳)

 2002年から始まった寺子屋活動。支援終了が予定されている2010年7月以降、各寺子屋がどのように運営と財政の両面で自立発展をしていくのかが、現在大きな課題になっていますが、支援がなくなってからも自立できるように、さまざまな研修や活動が行われています。
 寺子屋運営委員会では、各運営委員が独自に数名の新たな会員を集めようと努力しています。また、地域の人びとに寺子屋への募金も呼びかけています。このような、会員収入や募金によって、約30万ルピー以上(約60万円)が寺子屋運営の資金として集められました。さらに、電話サービスや洗濯サービスにより得られる収入、コンピュータークラスや裁縫クラスの授業料、セルフヘルプグループからの募金などによる資金獲得も行っています。

ソーラー発電の街頭を設置した寺子屋

 同委員会は自立的かつ持続可能な運営を十分認識しており、今後の運営面でも独自の活動が期待できます。例えば、各寺子屋では寺子屋運営委員会のメンバーが、コストが全くかからない、または安上がりのプログラムをどのように行うか、どのような活動をすれば資金的に自立できるのか、どのような活動が地域の人びとのニーズを満たすことができるのか、などを真剣に話し合っています。
 また、行政やNGOと協力することで、寺子屋での巡回医療や目の診断、家畜の健康診断である「アニマルキャンプ」などの独自のプログラムを実施しています。2006年12月に設立されたカルナータカ州ベルガウム県ゴカック郡ドゥルドゥンディ村の寺子屋で
は独自に行政にアプローチして、ソーラー発電の街灯を設置するなど、自立に向けての活動を行っています。


ネパール

プロジェクト名:ネパール・ルンビニ寺子屋プロジェクト
実施団体:ネパール寺子屋運動委員会
主な対象:非就学児童、成人女性(15歳以上)、青年(18〜40歳)

2002年から始まった釈迦の生誕地であるルンビニ県における世界寺子屋運動の活動も9年目に入りました。現在12軒の寺子屋が完成し、識字だけでなく、農業や畜産の研修や女性による協同貯蓄・小口貸付など、地域の人びとの生活向上のための活動が行われています。
 寺子屋では、学校に行けない子どものための新しいプログラムが始まりました。FSP(フレキシブル・スクーリング・プログラム)は、家庭内や農村で働かなくてはならず、学校に通うことができない子どものために初等教育(小学校)の5年間を3年間に凝縮したプログラムです。このような柔軟な授業によって学校に行けない子どもに教育の機会を提供できるようになりました。寺子屋のような学校外の教育(ノンフォーマル教育)が公立学校(公教育)の代替となるような新しいプログラムの誕生です。


寺子屋のFSPクラスの生徒

 さらに、初等教育の前の段階の子どもを対象とした就学前クラスも始まりました。このクラスでは、ネパール語や数字を学び、歌をうたいます。これにより、小学校入学への移行がスムーズになるとともに、母親は子どもがクラスにいる間は働きに行くことができるなどの効果があります。
 ネパール政府は全国的に寺子屋を広める政策をとっていますが、寺子屋運営や識字教員育成のノウハウがないため、トレーニングセンターではルンビニの寺子屋において成功した事例をもとに、オフシーズンの野菜栽培、魚の養殖、養蜂などさまざまな研修を実施しています。2009年8月までに、政府の寺子屋運営者921人を対象に研修を行いました。


第21次支援プロジェクト

2010年に実施する第21次支援プロジェクトでは、次の3か国、3つのプロジェクトを支援します。書き損じはがきの回収によって得られた現金や寄付金などから、合わせて450万円を活用させていただきます。

アフガニスタン
非識字率:72%
プロジェクト名:アフガニスタン寺子屋プロジェクト
実施団体:日本ユネスコ協会連盟アフガニスタン事務所, アフガニスタン教育省識字局

カンボジア
非識字率:24%
プロジェクト名:カンボジア・アンコール・プロジェクト,(寺子屋を核とする識字教育と職業訓練事業)
実施団体:日本ユネスコ協会連盟カンボジア事務所, シアムリアップ州教育局

ネパール
非識字率:45%
プロジェクト名:ネパール・ルンビニ寺子屋プロジェクト
実施団体:ノンフォーマル教育ナショナルリソースセンター


書き損じはがきをお寄せください

1990年3月から2010年3月末までにお寄せいただいた書き損じはがきの累計枚数は3,575,615枚になりました。ご協力に感謝
すると共に今後も引き続きご支援をお願い申し上げます。未使用の切手・はがき、寄付金なども受け付けております。
  “世界寺子屋運動”名古屋実行委員会事務局
  名古屋国際センター交流協力課内 052-581-5691
  寄付金の送付先:  郵便振替:00890-6-108490
  三菱東京UFJ銀行 名古屋駅前支店
  普通2137777
  口座名: “世界寺子屋運動”名古屋実行委員会(セカイテラコヤウンドウナゴヤジッコウイインカイ


 

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