ユネスコ世界寺子屋運動2013年度活動報告

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1枚のはがきではじまる国際協力

“世界寺子屋運動 ”は、 1990年の国際識字年をきっかけに(公社)日本ユネスコ協会連盟によって始められた運動で、世界の読み書きのできない人々に対して「学びの場=寺子屋」の普及を通し、途上国への教育支援を行っています。
(公財)名古屋国際センターは、 1990年から“世界寺子屋運動 ”名古屋実行委員会の事務局を担い、市民の皆様から寄せられた書き損じはがき等の資金化による協力活動を展開しています。 2013年度は、アフガニスタン、カンボジア、ネパールの 3か国に総額 450万円の支援金を送り、これまでに送った支援総額は 1億 4,100万円にも及びます。このような支援金が、実際に現地でどのように役立てられているのか、3か国における 3つのプロジェクト現場からの報告をお届けします。           写真提供:(公社)日本ユネスコ協会連盟

 

ユネスコ世界寺子屋運動2013年度活動報告

●アフガニスタン寺子屋プロジェクト●

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◆識字クラスを1,218人が卒業
30年間にわたる戦争で経済、社会インフラ、教育システムが壊滅的な打撃を受けたアフガニスタン。この地に現地事務所を開設し、世界寺子屋運動を開始してから10年が過ぎました。2013年度、アフガニスタンでは新しく完成したカブール市13地区の寺子屋を中心に1,218人(70%以上が女性)が9か月間の識字クラスに通い、ダリ語またはパシュトゥー語の基礎的な読み書きを身につけることができました。
女性たちが安心して通える民家型の識字クラスの普及をはじめ、内戦によって国内避難民となってしまった子どもたちのための識字クラスも実施しました。

◆14軒目の寺子屋が完成!
カブール市13地区にアフガニスタンで14軒目の寺子屋が建設され、2013年9月に開所式典が実施されました。カブール市13地区はかつて戦場であった場所ですが、教育プログラムや職業訓練以外にも人びとが集う場所として活用されることで平和の構築にもつながっています。寺子屋は村の議会や研修会場、さらに結婚式にも活用されています。ほかにも、寺子屋について知ってもらうための寺子屋訪問ツアーに60人が参加し、寺子屋の役割や重要性について直接学びました。

◆収入向上活動も継続的に実施
寺子屋では、革製品作り、裁縫、カリグラフィー(習字)、カーペット製作などの技術訓練も継続して行われており、中でもイスタリフ寺子屋では、革製品作りに力を入れており、カバン、ペン入れ、名刺入れなど多様な商品を作っています。2013年には寺子屋の隣に商品を展示販売する建物を建設し、販売と広報に力を入れています。
また、カブール事務所では毎年ベスト寺子屋の選出を行っており、2013年度はカブール郊外のデサブス寺子屋が、独自のイベント開催や識字クラス実施数が多かったなどの理由で選ばれました。

●カンボジア・アンコール寺子屋プロジェクト●

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◆内戦がもたらした貧困の連鎖を寺子屋が断ち切る
アンコール寺子屋プロジェクトでは、寺子屋設立、識字クラス、復学支援クラスをはじめ、幼稚園クラスや職業訓練、寺子屋運営委員への研修などを通じて、地域の人びとの生活向上を目ざしています。

◆寺子屋の完成(11軒目と12軒目)
2013年度、11軒目のコック・プノウ寺子屋が完成し、6月に日本からの募金者も出席して開所式典が行われました。さっそく識字クラスや畜産などの技術訓練が始まっています。
式典に参加した教育大臣からは新しい寺子屋への政府からの大きな期待や日本の募金者や地域の人びとへの感謝が述べられました。
また、2014年3月にはバリン郡に12軒目となるルビア・クラン寺子屋が完成しました。机や椅子などの設置や建物の前の広場の整備などが残っていますが、今年6月以降に開所式典を行い、活動が開始されます。

◆チョンクニア寺子屋の改修がほぼ終了
東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖。そこに浮かんでいたのがチョンクニア水上寺子屋。カンボジアの記念すべき第1号の寺子屋ですが、カンボジア政府の定住化政策に伴い、改修して陸にあげることになりました。ホテイアオイ製品作りや識字クラスなどを継続的に行う予定です。

◆中途退学児童のための復学支援と識字クラス
アンコール寺子屋プロジェクトでは、小学校を中途退学してしまった10歳から16歳の子どもを対象とした復学支援を4軒の寺子屋で実施し、90人が学びました。昨年のクラスで復学支援クラスを卒業した生徒の約7割が中学校に進学しています。進学できなかった生徒の多くは、家族で職を求めて他国に移住せざるをえなかったようです。
農村部ではいまだに多い非識字者のため、8か月間の識字クラスを継続的に実施し、724人が基礎的なクメール語を身につけることができました。ほかにも、小学校への進学をスムーズにするために幼稚園クラスも展開し、270人が寺子屋で学びました。

 

●ネパール寺子屋プロジェクト●

 2002年から始まった「ネパール寺子屋プロジェクト」では、世界遺産である釈迦の生誕地ルンビニおよびカトマンズにおいて、発展から取り残され教育を受けられなかった子どもや女性の非識字の撲滅を大きな目標に活動しています。
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◆識字クラスを政府と協働で大規模展開
2013年度は、ネパール政府が2015年までに非識字者をゼロにするという目標に向けて進めている「ネパール識字ミッション」に協力し、寺子屋を中心に3か月の短期識字クラスを多数実施しました。
識字クラスを教える識字ボランティアの研修や識字教材の開発も実施し、ネパール寺子屋プロジェクトで作成した教科書が多くの地域で活用されました。
民家などの建物を利用することで、ルンビニとカトマンズにおいて338クラスを展開し、6,183人が基礎的なネパール語を学ぶことができました。

◆マイノリティのための小学校クラス
ルンビニではカーストの低い子どもたちのなかに学校に通えない子どもや中途退学した子どもが非常に多くいます。また、イスラム教徒の多くはマドラサという宗教学校で学び、ネパール語やほかの小学校レベルの教科を学習しない子どももいます。
そのため、ネパールの寺子屋では、そのような子どもたちが初等教育を修了できるよう、3年間の小学校クラスを実施しています。クラスでは、ネパール語、英語、算数、理科、社会の5科目を学んでいます。

◆寺子屋の自立に向けて
ネパール寺子屋プロジェクトでは、各寺子屋が自ら活動計画を作成し、資金調達や活動が実施できるよう研修を続けてきました。その結果、それぞれの寺子屋が行政からの支援を受けて独自の活動ができるようになっています。その内容はニーズによって異なりますが、寺子屋の外壁補修や裁縫クラスのためのミシン、幼稚園クラスの予算などを獲得しています。ルンビニ・アダルシャ寺子屋では、行政からの支援で2階部分を建設し、ゲストハウスなどにしようと計画しています。

 


*実施団体とは? 実際に寺子屋の建設、運営を行う団体で、国によって異なる。(公社)日本ユネスコ協会連盟が調査し、信頼がおけると判断した現地の団体であることが多いが、同連盟が現地事務所を構え、国の機関をパートナーにして、実施しているプロジェクトもある。

*寺子屋運動とは? 村の長老、教育関係者、識字教室の卒業生などがメンバーとなり、現地のニーズに応じたプログラムを企画し、運営方針を決める。また、自立して運営するための資金集めなども行う。

 


 

●2014年度支援プロジェクトの計画
“世界寺子屋運動 ”名古屋実行委員会は、 2013年度の3つのプロジェクトを 2014年度も引き続き支援し
ていく予定です。書き損じはがきの回収によって得られた現金や寄付金などから、1プロジェクト 150万円ずつ、合わせて 450万円を活用させていただきます。

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