留学生の就職活動 ~留学生のための就職フェア~


 日本に暮らす留学生は13万人を超えています。そのうち、名古屋市内の大学に在籍する留学生は約3,000人。
 多くの留学生は卒業後、日本での就職を希望しています。その理由は、母国と比べて給料が高い、習得した日本語を使いたい、社会的経験を積んで帰国後に生かしたい、などさまざま。日本人新卒者の就職が依然として厳しいなか、留学生も大学への求人を待つだけでなく、就職フェアへ自ら積極的に出かけるようになりました。留学生の就職活動の様子を紹介します。

熱気あふれるフェア会場
 7月3日、愛知県等の主催による「留学生のための就職フェア」が名古屋国際センターで開催されました。
 参加者は252人。参加企業は、一昨年までの30社には及ばないものの昨年より2社多い16社。会場はリクルートスーツを着た留学生であふれていました。

 マレーシア出身の工学部4年生のヌルルジャンナ・アリさんは、「友人の就職先がどんどん決まっていく」とあせる気持ちを抱えながらの参加でした。「あらかじめ留学生の採用を考えている企業がわかっていい」反面、想像以上の混雑ぶりに戸惑いも見られました。「日本で技術を磨いて、やがては母国でそれをいかしたい」というアリさん。内定をもらった日本人先輩の「緊張しても弱気にならず、とにかく相手と話せ」というアドバイスを胸に、企業ブースへ向かいました。

企業ブースの前には真剣な留学生の姿が

8割以上が中国人留学生
 当日配布された求人票の約6割はネイティブレベルの中国語を要求するものでした。では、中国人留学生が有利かというと、必ずしもそうではないようです。参加学生の8割以上が中国出身のため、1名求人の企業に80名もの面接希望者があったからです。
 中国出身の言語文化専攻の大学院生、柳晶さんは、中国語と日本語をいかして営業か生産管理の仕事をしたいと考えています。これまで日本人学生と同じ企業説明会に参加し、SPI*1も受けてきました。今後はより求人の多い東京の就職フェアへも行こうかと迷っています。学業と並行して長期に続く就職活動の経験から「精神的に鍛えられた」と言います。

企業が期待すること
 初参加のPC・デジタル機器の開発・製造会社(株)バッファロー人事総務部の佐藤教人さんは、「日本以外の地域での活動が増え、事業展開の面から人材のグローバル化が求められている」と留学生採用への積極的な姿勢を示しました。留学生には語学力に加えて「新しい文化に挑む攻めの姿勢」を期待しているとのことです。
 留学生は、日本政府の方針*2により、専門的な分野への就労が可能なことから、今回のフェアでも、海外販路拡大の営業や、海外拠点での技術指導者候補といった求人が多くみられました。 留学生が企業の成長戦略の一翼として、期待されていることがうかがえます。


 外国籍社員を採用した日本企業は、人材育成、転職による流出、幹部登用などの課題を抱えつつ、人材のグローバル化をすすめています。文部科学省が進める「留学生30万人計画」*3は、留学生の就職実績とともに加速するのかもしれません。


*1 Synthetic Personality Inventoryの略。リクルートマネージメントソリューションズ社製の適性検査SPI2のことを通称SPIと呼ぶ。現在多くの企業が採用の選考の際に実施している。性格検査と能力検査(国語力、数理力)がある。
*2 平成11年8月13日閣議決定の「第9次雇用対策基本計画」において留学生の専門的、技術的分野への受入れが推進された。
*3 平成20年策定の2020年を目途に30万人の留学生受入れをめざす計画。

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