医療通訳士協議会
7月17日(土)、医療通訳士協議会(JAMI)第3回総会がJICA中部(名古屋市中村区)で開催されました。同協議会は、2009年2月、医療通訳士に対する適正な報酬と身分保障の整備及び通訳技術向上を目的に設立されました。
日本語が十分理解出来ない外国人が医療機関で受診する際の大きな不安を軽減する役割として通訳者の存在があります。医療用語を通訳することは容易なことではありません。医療制度や文化の違いなどを理解したうえで、正確に通訳する必要があり、専門性が求められます。こうした高い専門性を備えたプロフェッショナルな医療通訳の必要性は増々、高まっているにもかかわらず、報酬や身分は保障されておらず、職業とすることは難しいのが現状です。
病院通訳として働く
しかしながらこの地域では、外国人集住地域を中心に病院に直接雇用されている通訳もいます。総会のシンポジウムのパネリストで、小牧市民病院で長年にわたり、ポルトガル語の通訳をしてきた大島ヴィルジニア ユミさんは、現在、犬山市で外国人相談員として働いています。病院で勤務していたころは多忙で勉強会などに出席する機会もなかったことから、医療通訳が勉強できるようセミナーなどに出席したり、病院内のスタッフが意見交換できる機会を設けたりすることが重要だと語りました。2004年に設立された「医療通訳者ネットワーク東海(MINT)」は、ポルトガル語通訳者を中心に医師を招いての勉強会や情報交換などを行っています。このような通訳同士のネットワークづくりも医療通訳を支援する上で重要です。
医療通訳・支援者の育成
愛知県立大学では2007年より、文部科学省委託事業として医療分野のポルトガル語・スペイン語講座を開講。語学の授業のほか、多文化共生や外国人住民支援制度、保険制度、中南米と日本の文化の違いなどの授業も行い、外国人住民の背景を理解した上で通訳ができるようカリキュラムを組んでいます。委託事業終了後も大学独自の事業として同講座を開講しています。
名古屋国際センター(NIC)では、外国人医療受診サポートボランティア研修を開催しています。この研修では、患者である外国人と医師、医療関係者等とのコミュニケーションのサポートを主題に、医療制度の基礎、通訳者の心得などを学び、患者に寄り添いながら受診時の不安・緊張を和らげ、言語面及び心理面で患者を支えるサポーターを育成しています。
訓練を受けた通訳者がいることは医療側と患者側双方に信頼と安心感を与えます。三重県や神奈川県、京都市など地域によっては医療通訳者を提携先の医療機関へ派遣する制度が構築されている地域もありますが、全国的にみるとまだわずかであり、ボランティア通訳に頼らざるをえない現状があります。一方、近年高度な医療を受けるために日本を訪れる外国人、いわゆる医療観光(メディカルツーリズム)が注目されており、その受け入れ体制が問われています。医療通訳制度の確立が求められています。
参考資料
外国人医療・生活ネットワーク編 『講座 外国人の医療と福祉―NGOの実践事例に学ぶ』2006 現代人文社・大学図書
医療通訳士協議会
http://jami.hus.osaka-u.ac.jp/
愛知県立大学医療分野ポルトガル語スペイン語講座
http://www.aichi-pu.ac.jp/ist/lab/qua/com-medico/



















