社会福祉法人 青山里会(せいさん・りかい)
社会福祉法人青山里会(三重県四日市市)は1974年に設立され、現在、同市、亀山市など7つの拠点において、高齢者、障がい者を対象とした施設サービス、在宅サービスおよび地域福祉事業等を展開しています。970 名の職員の約7%にあたる65名が外国人で、そのうち61名が介護職員として働いています(本年5月末)。外国人職員の国籍は、ブラジル54名、ペルー4名、フィリピン3名、インドネシア2名、中国、韓国各1名で、職務形態は常勤が31名、日勤26名、パート8名。外国人介護職員の約半数がホームヘルパー2 級を取得しています。
同会が外国人の介護職員を初めて採用したのは、人手不足が深刻な状態にあった2008年10月。日系ブラジル人が多数暮らす外国人集住団地が近隣にあり、外国人の施設利用者が増える中、海外からの人材に頼るのではなく、この地域に暮らす外国人も地域の構成員ととらえ、積極的に職員として採用していく方針を固めました。そして、外国人支援を行うNPO法人が主催する日系人向け就職セミナーに参加するなど、採用に向けて本格的に取り組み始めました。人事室長の三瀬正幸さんは、「外国人の施設利用者とのコミュニケーションの難しさや生活習慣の違いもすでに経験しており、日本語の問題はある程度解決できる。介護職での経験や彼らの高齢者への思いやり、そして仕事に向かう真摯な姿勢を期待している。不況の影響も重なったが、外国人職員やその友人から同施設のことが口コミで広がったようで、彼らに対する高い評価もあり、積極的に採用してきた」と語りました。
ブラジル人のヨシオカ・アンナ・パウラさんは、2008 年11月に来日し、その1か月後に同会で働き始めました。当時日本語が全くできなかったパウラさんですが、ブラジルで4年間、訪問看護師として働いていた経験から採用されました。日常会話はできますが、休日に日本語教室に通うなど、日本語を習得するために努力しています。来日15 年目にあたる2009年12月から同会で働くバゼット・テルコ・アリスさんは、それまで3 か月単位で工場を転々とし、派遣社員として働いていました。アリスさんは、「前はロボットのように働いていた。今は、人と接する仕事なので、日々変化があり楽しい」と話し、パウラさんとアリスさんはともに「日本語がまだ不十分。もっと勉強します」と意気込みを語りました。
介護職員をまとめているのは、ケアワーカー部長の伊藤妙さん。いままでの苦労を尋ねると、「日本人職員、外国人職員の双方から不満があったのは確か。日本語も不十分な外国人と同じ給料で働くのは嫌だ、読み書きのできない外国人職員に代わり介護記録等を書く日本人職員を見て、座ってばかりでずるい、など。できることを一生懸命やっているのだから、お互い様だと説得し続けてきた」と話しました。また、採用から約1 年半が経つ今、同会での変化を尋ねると、「利用者には思ったよりすんなりと受け入れてもらえた。最初は違和感があったが、職員が、外国人がいる環境が普通と思えるようになったのが一番の変化」と話しました。
同会は、職員同士の理解を深めるための親睦会や研修旅行を欠かさず行い、日本人、外国人を問わず、職員にとって働きやすい職場づくりに取り組んでいます。そして、同じ職場の“仲間”として、互いに尊敬し、高め合える関係が築かれています。組織のサポートと、外国人職員の前向きな姿勢が、共生する職場となって実を結んでいます。
社会福祉法人青山里会
☎059-328-2177



















