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子どもたちのこころに寄り添う ~外国人児童・生徒サポーター研修【入門編】を開催しました~

2023.08.26

「外国につながりのある子どもたち」

 様々な国・地域から新たに来日する子どもたちがいる一方、「日本生まれ・日本育ち」や外国にルーツを持つ日本国籍の子どもの数も増加し、その背景、環境、彼らを取り巻く課題はますます複雑で多様化しています。文部科学省の調査では、「日本語指導が必要な児童生徒数」が最も多いのは愛知県で、その数は12,738人です(令和410月現在)。名古屋国際センターでは、こうした子どもたちや保護者が抱える課題を理解し、自分ができる関わり方を考える研修を開催しました(全3回)。

 

「担い手となる外国人」

 近年、外国人の受講者も増え、今年度は受講者の一割が外国にルーツを持つ人でした。教育心理学を学ぶ留学生は、自身の子どもが日本の保育園に通っており、その実体験から外国人の保護者や子どもたちを支援することに関心があるという思いで受講されました。

「明治日本語しゃべろう会」代表でネパール出身のウプレティ・レサムさんは、ゲストとして登壇し、居住している地域で、住民たちと立ち上げた日本語教室や活動への思いを語りました。「これからサポートする方たちにぜひお願いしたいことは、地域の中で、子どもたちに悪いことは悪いと伝えること、しかること、犯罪になるようなことをしっかりと教えることです。文化の違いから母国では当たり前のことも日本では受け入れられないこともあります。」と語気を強めました。地域の日本語教室が、学校でもない、家庭でもない「第3の居場所」となるだけでなく、地域の住民とのつながりを生み、小さな声かけから子どもたちが安心して暮らせる地域になる、さらには地域の活性化にもつながることを感じました。

「担い手となる外国人」.JPG

「子どもや保護者の思いとは・・・」

 第3回では、外国につながりをもつ若者とその保護者をゲストに迎え、体験談を聞きました。

ブラジル出身の頼安ミチ子さんは、現地の大学を卒業後、パートナーと共に来日、日本で出産、子育てをされた経験から、「人々が助け合う気持ちを持ってほしい。例えば、学校の行事やお祭り、防災訓練などに誘ったり、料理を交換したり、親同士の気軽なお付き合いが子どもたちのサポートにもつながります。」と地域でのつながり、支え合いが重要だと話しました。

 中学1年生の時に中国から来日した唐静一さんは、来日当初、クラスメイトからいじめを受けました。日本語に自信がないために先生に相談できず、唯一の心の支えが同じ時期に来日したフィリピン出身の友だちでした。忙しく働く両親には迷惑をかけたくないと打ち明けられませんでした。「日本語能力が不十分な時は、自分から話すことが難しいので声をかけるなどの心の伴走も大切。」と話してくれました。

 15歳の時にベネズエラから来日した現役高校生のメシノ・エレラ・カルラ・バレンティナさんは、母国と日本の教育制度の違いから来日後すぐに勉強を続けることができず、つらい思いをしました。「私の夢は、心理学者になることです。日本に住んでいる外国籍の方たちや日本人も助けたい。様々な人たちの気持ちを理解して心のサポートや、その人たちが自分らしく生きることを見つける手助けがしたい。だから勉強を続けたいです。私たち若者が夢を達成できるようにボランティアのみなさんの力が必要です。日本語を取得するのが大変なことや、日本の文化と私たちの文化の違い、多様であることをわかってほしいです。」と主張しました。子どもたちそれぞれの思いを理解することが大切であること、その先にそれぞれに違った必要なサポートがあることを力強く伝えてくれました。カルラさんをサポートしてきたペルー出身の徳森エリカさんは、「日本人は、進路でも安全な方を進めがちですが、私たちは、チャレンジすることを応援します。失敗してもその子の学びになる。やる気をサポートする、背中を押すことも必要です。」と語りました。

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「サポートを考える」

「日本語を教える資格がないが、できるサポートはあるか?」と思っている受講者もいましたが、この研修を通して、子どもたちへの支援は、日本語を教えるだけではないということを学び、自分ができる関わり方を見つけられたようです。「学校生活の中で(日本人の)私たちからすると小さなことでも、外国から来た人たちにとっては知らない、驚くこともあるのでサポートの種類も色々あると思った。」「個々のケースにより伴走するつもりで、寄り添いながらサポートできればと思う。」(受講者アンケートより)

子どもたちが十人十色であるように、地域に暮らす私たちもできるサポートは様々です。今回の研修で、国籍を問わず、外国にルーツを持つ子どもたちの支援に携わる人たちが増え、子どもたちの未来の活躍につながることを願っています。

 

 名古屋市内の日本語教室をご案内する「なごにほ」では、ボランティアを募集している日本語教室を検索することもできます!

https://www.nic-nagoniho.jp/list/?volunteer=1

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