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【Vol.1】留学生の「今」〜名古屋に暮らす留学生の今昔〜

2023.11.11

1983年策定の「留学生10万人計画」から40年を迎える今年、首相の諮問機関「教育未来創造会議」は「J -MIRAI(未来を創造する若者の留学推進イニシアティブ)を提言しました。2033年までに留学生40万人を受け入れ、卒業後の国内就職率を60%(国内進学者を除く)に引き上げることを目指しており、より一層留学生への注目が集まっています。

名古屋には現在、名古屋市内の大学(大学院、短期大学を含む)に在籍する3,824人*の留学生が共に暮らしています。この数十年で、彼らを取り巻く状況はどのように変化してきたのでしょうか?1990年から名古屋に設置されている国際留学生会館International Student Center, 以下「ISC」)の職員と、留学生の就職支援を行う(一社)グローバル愛知のルーアンウィリヤ ヤーニンさんに聞いてみました。

*愛知県留学生交流推進協議会2023年5月1日現在

名古屋市内留学生数の推移

グラフ.jpg

出典:愛知県留学生交流推進協議会HP

※各年51日現在

※名古屋市内の大学・大学院・短期大学に在籍する留学生数

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【時代から見る国際留学生会館の30年】

留学生会館解説入り.jpg

一国際留学生会館が設置された1990年からおよそ30年が経ちました。何か変わったなと感じることはありますか?

 以前は中国・台湾・韓国出身の留学生で入居者の4分の3近くを占めていたこともありました。近年ではベトナムやネパール、インドネシアやバングラデシュといった東南アジア出身者だけではなく、県内大学の海外協定校の増加を反映してドイツやフランス、スペインといったヨーロッパの国々からの留学生も増加しており、名古屋に来る留学生が多様化していると感じます。また、最近では日本語が得意でない学生もいます。これは近年、英語のみで単位が取れるコースが充実している大学が増加したからではないでしょうか。以前はある程度の日本語レベルをもつ学生が多かったので、その点も近年の変化といえます。 また、日本を留学先に選んだ理由については圧倒的に「日本のアニメで日本に興味を持った」という子が多いですね。

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ISCで変わらずに続けていることはありますか?

 留学生自身が講師となり、地域住民向けに実施する「外国語・外国文化紹介講座」は1990年より変わらずずっと続けて実施しています。留学生を対象とした「華道講座」、「茶道講座」もその1つです。他にも「国際留学生会館の留学生を支援する会」が主催する、留学生を対象に名古屋港を紹介する行事は今年も実施することができましたし、コロナ前までは地元の女性会に協力いただき、もちつき大会も実施していました。

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一現在、ISCはどんな取り組みをしていますか?

 留学生にとって単なる宿泊施設としてではなく、様々な交流・体験ができたり、情報を得られる拠点であることがISCの存在意義といえます。そのため、留学生の就職支援事業はもちろん、地域住民とともに清掃活動などを行う地域貢献事業や、留学生だからこそできる国際交流施策立案のためのヒアリング対応など、社会貢献に彼らが携われるよう支援しています。また、今後はISCを卒業した学生たちが、現在の活躍の様子を伝えあったり、お互いに情報交換をしたりとつながることができる、また母国と愛知・名古屋との友好交流の架け橋となることができるよう、会館退去者のネットワークを促進していきたいと考えています。

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【世代がつなぐ日本への道筋】

ヤーニンさんプロフ写真.jpg一ヤーニンさんは、どんなきっかけで日本に留学を決めましたか?

 まず、私の母校の高校が、南山大学との協定校だったことが大きな理由のひとつです。日本への留学プログラムで来日しました。当時はタイでも日本食や日本のアニメが有名でしたが、日本に関心をもった大きなきっかけは、タイにある日系企業で働いていた母の存在があります。母の様子や話を聞いて、日本はいい国なんだなというイメージをもったことを覚えています。

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一現在、ヤーニンさんは留学生を支援するお仕事をされているかと思います。ご自身の当時と現在の留学生の状況に変化はありますか?

 日本に留学する理由は本当に人それぞれですが、変化があった点は"(条件が良いから)日本で働きたいから留学する"という人よりも、"日本が好きで、住みたい(から留学する)"という人が増えた印象があります。それから、最近は家族や知り合いが日本にいるから自分も来日したい、という学生も増えていると感じています。特に、お兄さんやお姉さんが日本で働いているから自分も来日を決めた、という話をよく耳にします。自分より少し上の世代は、ちょうど学校を卒業して日本で働き始めている世代なんですよね。そのように日本で活躍している先輩たちが、後輩たちのロールモデルになっているのかなと思います。

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一元留学生で、現在は留学生を支援する立場にいるヤーニンさん。これからの留学生にとって、どんなことが必要になってくるのでしょうか?

 学生たちは、理由は様々あれど、日本に対して大きな興味関心や夢をもって来日しています。日本語ももちろん頑張って勉強しているのですが、自分で"できた!"と思えても、実際に企業から求められる日本語能力とのギャップに落ち込んでしまう学生は少なくありません。また、日本の独特な「就活」の壁にぶつかる学生も多くいます。母国や海外ではスキルを重視するところが多く、日本が重視する人柄、人間性を印象づける「自己PR」という概念が捉えにくいこともそのひとつです。留学で培った経験を十分に発揮することができず、自信をなくしてしまうこともあります。

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 そのような留学生たちの居場所が増えていけばいいなと思っています。異国の地で暮らす留学生にとって、自分のことを話せる人の存在は大きいです。ひとりで迷うよりも、自分ができないことに向き合うことの大切さや、自分だけが悩んでいるわけではないことに気づかせてくれる人に出会える場が必要だなと感じています。様々な人と交流できる場や居場所となりうる場ができれば、自信もつきますし、孤独や疎外感も感じにくくなります。そうなれば、留学生の地域・社会貢献活動もより活発になるのではないでしょうか。

 

★次回の記事では、名古屋に暮らす留学生の1日や彼らの取り組みについて紹介します!

 

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