2025.08.29
ウズベキスタンのアンディジャン出身のドストンベクさん。4年前に来日し、大学では経営学部に所属して勉学に励む大学2年生です。日本へ興味を持ったきっかけは、大人気マンガの「NARUTO」。文化の違いはあれどもウズベキスタンにはない表現方法が好きだったこと、日本という国そのものへの関心もあったことから、日本を留学先に決めました。
話を聞いているだけでは海外出身の方とは分からないほど日本語が堪能なドストンベクさん。そんな彼が日本に来て最も印象に残ったのが京都へのバスツアーで見た金閣寺だそうです。「とても美しかった」と日本特有の文化である神社仏閣へのリスペクトを包み隠さず語ってくれました。
その一方、日本で生活するために自国の文化を制限していることもあるそうです。ウズベキスタン国民の約8割はイスラム教信仰者、ドストンベクさんもその一人です。イスラム教では決まった時刻にメッカのある方向に向いて礼拝するのが決まりですが、その時間には大学や電車にいることも多く、礼拝は諦めるしかありません。「できることなら決められた時間に礼拝したいです。しかし、それでは周りの方々の迷惑になってしまいますから」と語るドストンベクさん。柔軟な発想で日本社会に溶け込んでいます。そんな彼が語る日本社会への適応のコツは「一気に受け入れるのではなく、自分と相手の文化を比較して、少しずつ勉強して受け入れること」だそうです。
ドストンベクさんの将来の夢は「いつかウズベキスタンに戻って、自分のIT会社を経営する」こと。大学2年生ながらもすでに2社目のインターンシップに参加し、経営方法や会社の構造、働き方を肌身で感じるなど、努力は欠かしません。日本の会社の良い所はルールがしっかりと決められており、効率がとても高い所。ちょっと残念なところは、仕事とプライベートがはっきりと分かれている所だそうです。「やっぱり仕事は楽しくやりたいですね」と笑顔で話してくれました。
「ウズベキスタンのこと、好きですか?」という質問に対して「もちろん、大好きです」と屈託のない笑顔で答えてくれたドストンベクさん。今日もはるか遠い故郷のために、日本でしっかりと学んでいます。
取材を終えた感想
ドストンベクさんへの取材を通じて、自国の文化を大切にしながらも日本社会に適応しようと努力する姿勢や目的意識の高さに心を打たれました。また、日本人チューターとの意見交換では、チューターの業務で求められることは、「語学力」以上に「留学生に寄り添う気持ち」であることが分かりました。
国際留学生会館での研修では、留学生の生活や彼らをサポートするチューターの思いを知ることができて、有意義な時間を過ごすことができました。