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多様な価値観が広がる今。それぞれをつなぐ"つなぎびと"

~名古屋市コミュニティサポーター 横井 れい さん~

2026.07.01

地域団体(自治会、町内会など)が抱える課題の解決や、地域の活性化を支援するために、平成28年(2016年)から名古屋市が実施している「コミュニティサポーター制度*1」、通称"コミサポ"。

今回は、その制度発足当初から活躍されている、横井れい さんにお話を伺いました。

*1 名古屋市コミュニティサポーター制度についてはこちら→ https://x.gd/6Xc445


プロフィール写真.jpg

 コミュニティサポーター(以下「コミサポ」)の活動について教えてください。

‐学区連絡協議会や町内会、子ども会、まちづくり団体など、さまざまな地域団体からの相談に対応しています。当初は名古屋市役所地域振興課所属の4名でスタートしましたが、より身近に相談していただける体制とするため、令和5年秋からは各区役所の地域力推進課に1名ずつ配置されています

支援内容は、広報、ICT、防災、高齢者支援...多岐にわたりますが、最近は町内会の立ち上げや運営の課題、言語や文化背景が異なる外国人住民との付き合い方など、町内会からの相談が増えています。

しかしながら、コミサポひとりで解決できる地域活動の課題は決して多くありません。市役所内の各部署をはじめ、関係する専門機関と連携・協力し、地域に寄り添い、伴走する支援を行っています。


外国人住民に関する相談について、地域ではどのような変化や課題があると感じていますか。


防災カフェ.jpg

‐市営住宅に暮らす外国人住民と自治会との関係づくりや、防災意識の啓発、外国ルーツの子どもたちに関する相談がよく寄せられます

ある地域では、外国人も参加しやすい防災訓練の実施を支援しました。区社会福祉協議会、なごや子ども応援委員会、名古屋市住宅供給公社、名古屋国際センター、区役所のコミュニティサポーターなど様々な機関と連携して取り組みました。住宅供給公社の担当者の方が大学生にも声をかけて下さったことで若い世代の参加が増え、高齢化が進む町内会の役員の皆さんも喜んでくださいました。また、「防災訓練」ではなく"カフェ"のような親しみやすい雰囲気を打ち出したり、学校のことも相談できる場にしたり、AIを活用してチラシを作成したり...。様々なアイディアが集まり工夫できたのは、多くの方々の協力があってこそです。

 また、個人的には、本人の意思に関わらず日本で生活することを余儀なくされている外国ルーツの子どもたちの将来についてとても心配しています。子どもたちには、地域での関わりを通じて「日本人は信頼できる隣人なんだ」と感じてもらいたいと思っています。彼らが大人になって困った時、幼少時代を振り返り、地域の大人たちにやさしくしてもらった経験があるか無いかでは、立ち直れる力、前を向く力に大きな差が出ると思います。外国ルーツの子どもたちが、日本のやさしい大人に出会う場所、気持ちがあったかくなる場所を、どんどん増やしていけたらなと願っています。


丸池荘 .jpg

実際に、専門機関や行政、町内会、地域団体などをつなぎながら、地域住民同士がよりよく共生できる環境づくりに伴走されてきた横井さん。そうした活動へと突き動かす原動力は何でしょうか?


‐私、子どもが大好きなんです。「地域で子どもを育む」ことを模索し実践していくことが、私自身の大きなテーマでもあります。無限の可能性をもつ子どもたちに、様々な価値観に触れながら、広い世界を見て育ってほしい。

これまで子育てや学校現場に関わった経験もありましたが、一人だけでは子どもたちの力を十分に引き出せなかったという悔しさ、もどかしさも残っています。でも、地域にはたくさんの人がいて、それぞれ異なる価値観や経験を持っています。地域のみんなで子どもを育むことができたら、子どもたちの可能性をもっともっと大きく広げていけるんじゃないかと思うんです。


「地域で子どもを育てる」ということですね。一方で、現代は人と人との分断が進んでいるとも言われていますが。


‐価値観の多様化が進み、「正解」が一つでない現代では、自分の暮らす地域や共に暮らす人への関心が少しずつ希薄になっているようにも感じます。

だからこそ、異なる立場や価値観をもつ人たちの間に入り、お互いの思いや背景をくみ取りながら、伝わる言葉へと翻訳するように橋渡しをしていく"つなぎびと"の存在が必要ではないでしょうか。地域活動では、年代や文化、バックグラウンドの大きく異なる人たちが話し合う場も多く、ファシリテーターのような第三者の存在が入ると、お互いに歩み寄りやすくなると感じています。 

その際に大切にしているのは、先入観を持たず、地域の方々の声に心を込めて丁寧に耳を傾けること。実際に足を運び、複数の人の声を聴きながらも、「知ったつもり」「分かったつもり」にならないよう心掛けています。同じ分野の悩みであっても、それまでの背景や関わる人たちの構成によって、課題の姿は大きく異なります。一つの成功事例をなぞらず、言葉にならない思いや、目に見えにくい課題を掘り起こしていく課題発見力も、つなぎびとに必要な力です。

そして、課題解決のためには地域や行政、専門機関、関係団体との連携が欠かせません。日頃から各所の仕組みや活動、考え方などに対する理解を深めておくことも大切にしています。多様な選択肢を示しながらオーダーメイドのサポートができる、つなぐ人でありたいと思っています。

あくまでも、主役は地域の皆さんです。暮らしやすく楽しいまちを地域のみんなで築いていく。コミサポは、その一番の応援団です!ジャンルは問いません。まずはお気軽に区役所地域力推進課のコミサポにご相談ください。


地域の力を信じ、人と向き合うことを諦めない。そんな"つなぎびと"であるコミュニティサポーターの想いと活動が人やまちへの関心を生み、あたたかなつながりを育むきっかけになっていると感じました。

国籍や立場を問わず、誰もがやさしい大人に出会えた瞬間を思い出せる共生社会のために、名古屋国際センターも関係機関の一つとして、地域をつなぐ取り組みを共に広げていきたいと思います。

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