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令和7年度NIC国際講演会を開催しました! テルマエ・ロマエ作者が語る「世界を知る、そして共に生きるということ」

2026.03.11

2026年2月11日(水・祝)、令和7年度NIC国際講演会を開催しました。今回は、映画化もされた漫画「テルマエ・ロマエ」の作者のヤマザキマリ氏(漫画家・文筆家・画家)をお招きし、「世界を知る、そして共に生きるということ」をテーマにお話しいただきました。

当日は多くの方にご来場いただき、ヤマザキさんの笑いも交えたお話に、拍手や頷き、真剣に考え込む姿が見られ、質疑応答も活発な、充実した講演会となりました。

イタリアの歴史が物語る"アルモニア(調和、響き合い)"

イタリアに長く住み、美術や文化への造詣が深いことで知られるヤマザキさんは、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック開会式の解説者として、現地会場からのテレビ中継を数日前に務めたばかりでした。開会式のテーマであった「アルモニア(Armonia)」について、ヤマザキさんは直訳的な"調和"ではなく個々の個性を尊重した"響き合い"と解釈し、イタリアの歴史や文化を表現した開会式が「自分らしさを追求し、お互いの違いを認め合いながら、そこに交響曲のような響き合いが生まれる」ことを意味していたと、数々の演出について熱のこもった解説をしていただきました。

外国で困ったときに一番たよりになるのは「自分に優しくしてくれる現地の人たち」

ご自身が長く外国人としての立場を経験してきたことを踏まえ、今を生きる日本人へのアドバイスをいただきました。変化し続ける予定調和なんてない社会の中で、「地球は一つである意識と、日本という国ならではの守るべき性質と特性を認識するのが大事」。歴史をたどればみんな元々同じ細胞から出てきていて、同じ大気圏の中で呼吸をしている。ただ、それぞれの国民性や性質が育まれた土壌には差異がある。それをしっかり踏まえたうえで、好奇心を持って相手の背景にある文化や歴史の理解につとめれば、相手にも同じく日本という国に対する敬いの意識が生まれるでしょう。そういった考え方がお互いの中に育まれてさえいれば、日本人と外国人のストレスをためない共生もかなうのではないでしょうか、というヤマザキさんならではの示唆に富むお話をいただけました。

質疑応答の際には、日本における多文化共生についての質問を受けて、エジプト、シリアで暮らしていた時のお話も語ってくれました。砂漠のど真ん中で水がなくなったときに家族で大喧嘩になり、その際にイスラム教やキリスト教といった一神教が根付いた背景を肌で感じたそうです。過酷な場所だからこそ一神教という強い信仰が育まれ、人々にとって心の拠り所としての重要な役割を果たしてきたのではないか。実体験をもとにしたその深い洞察に会場の多くの人は聞き入っていました。「私たちはそういった背景を少しずつでも理解し納得いくまで探求する、一方で自分たちの考えや文化をしっかり表現していく。そうした積み重ねによって、アルモニア(響き合い)は確かなきらめきを帯び、本当の意味で共に生きることができる。」ヤマザキさんの温かくも力強いメッセージで、講演会は締めくくられました。講演終盤には、蚊などの昆虫や、クマなどの動物と人間の共生まで話は盛り上がり、ヤマザキさんらしい多彩な視点からのお話も伺えました。

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