2024.12.15
本特集記事では、グローバルな視野を持って活躍する若者たちのボランティア活動に焦点を当て、彼らがどのようにしてSDGs(持続可能な開発目標)等の達成や社会に貢献しているのかを取材しました。特に環境保護に関する取り組みを中心に、地域を超えて広がる若者たちの情熱や思い、また、これまでの歩みや今後発信していきたいことなどを紹介します。未来の地球を守るため、次世代のリーダーたちがどのように力を合わせて挑んでいるのか、その実態に迫ります。
★本特集は3回(Vol.1~3)の連載で記事を投稿していきます。今回はVOl.1です。
2022年1月25日に、中学生たち(発足当時)が創った環境保護団体「プロジェクトsky」。
モットーは、「僕らの『未来』のために」。
代表の両角さんと、代表補佐の片桐さんに、
活動の目的、大切にしていること、将来のことなどをお聞きしました。
~「プロジェクトsky」を立ち上げたきっかけは?~
【両角さん】
中学校の社会の授業でSDGsが取り上げられ、地球が抱える問題について知りました。「自分たちも何かしないといけない!」と思ったのがきっかけです。友達に声を掛けたところ、自分の思いに共感してくれて、みんなで遊ぶ感覚で一緒に地域のゴミ拾いをすることから活動が始まりました。
【片桐さん】
自分たちが住む大府市をきれいにしたいと思う気持ちもありますが、友達と一緒にできるのが活動の一番の理由かも。
【両角さん】
団体のメンバーの定義はありません。活動に1度でも参加してくれた方は誰でもメンバーと呼んでいます。私たちと同じ年代の若者が活動したいと思ったときの起点になるような団体でありたいと思っているので、だれもが気軽に参加できる団体でありたいです。
【片桐さん】
実際に企画・運営をしているのは8人のメンバーです。それに7人の進行役も加わり、合計15人で主に活動しています。そのメンバーはほぼ小学校からの友だちです。現在は、それぞれ別の高校に進学しましたが、このプロジェクトがあるから定期的に集まって、楽しんでいます。楽しいことが、続けることにつながっています。
~あふれるアイデア~
【片桐さん】
両角さんは、アイデアマンで、いつも突拍子もないことを考えつくんですよ。奇想天外なアイデアばかりです。
【両角さん】
1日に1つ、企画を思いつきます。思いついたことを、LINEグループでどんどん共有していくんです。みんな、大府市をもっと良くしたい!SDGsを通して若者の輪を広げたい!という熱い思いがあるので、どうやって実現していくか一緒に考えてくれます。
【片桐さん】
両角さんが考えたことを、みんなで意見を出し合って、実現可能なカタチにしていきます。両角さんの考えには筋が通っている。だから、みんなも一緒にやろうってなるんだと思います。
【両角さん】
やりたいことをやりたいようにやっていくのが、私たちのスタイルです。まずは地域のゴミ拾いから始めていきました。地域のゴミ回収業者やリサイクル会社と一緒にゴミを収集して、そのゴミからバイオマス燃料を作れないかと考えたりもしたのですが、それはさすがにみんなに止められてしまいました(笑)。
【片桐さん】
定期的にゴミ拾いをしていたり、他の市民団体のイベントでゴミ拾い活動をしています。中学校卒業を控えた私たちは、先生に声を掛けられ、「中学校卒業前に地域への恩返し」を目的に3年生全員でゴミ拾いをしました。
【両角さん】
中学校卒業の記念といえば、大府駅から名古屋駅まで、往復42kmをゴミ拾いするという企画をしました。名古屋市のポイ捨て事情を知りたい、何か中学生の間にチャレンジ企画をしてみたい、と思ったことがきっかけです。さすがに、ジョギングしながらのゴミ拾いは、難しかったです。親や私たちの思いに賛同してくれた方々が協力してくれて、やり遂げることができました。疲れただけではなく、達成感もあり、みんなでやり遂げるって素晴らしいなと改めて思いました。
~まっすぐな熱い思いが、つないでいく"輪"~
【片桐さん】
大府市は市民活動が盛んなんです。大府市市民活動センター「コラビア」というところがあり、活動を支援してくれたり、市民活動をしている人が集まるイベントなどをしています。私たちも、よく参加しています。
【両角さん】
市民のイベントで、"ノッポさん"という介護の熱弁家でデイサービスを運営されている方とも知り合いました。その際に自分たちの活動について話をしたら、「君たちの活動を全面的に協力するよ」と言ってくださったんです。熱心にSDGsに関する活動をしている若者を見てうれしく思われたそうです。
【片桐さん】
2023年8月に、「地域の野菜でエコクッキング!」というイベントを実施したんですが、その際にもノッポさんに協力をしていただきました。
【両角さん】
主に大府市内で生産された野菜や果物の中で、廃棄処分になるものをどうにかできないかと思い考えたイベントです。ノッポさんにイベントについて相談したところ、運営されているデイサービスの場所を提供してくださり、エコクッキングのイベントを実現することができました。
【片桐さん】
その他にも、生産者の方や地域のお店などからも廃棄される野菜や果物などを提供していただきました。また、料理を作るシェフなどのプロにお願いする予算がなかったのですが、メンバーの親をはじめとした「お母さん部隊」も調理に協力してくれました。
イベント当日は、70人も集まり、おかげさまで、みんなが満足するおいしい料理を提供することができました。
【両角さん】
大府から名古屋駅往復42kmのゴミ拾いをしたときも、集めたゴミを運ぶのに、ノッポさんや親が車を出して、協力してくれました。
2024年3月に、団体発足2周年記念で行った「開け!SDGsのとびら」にも、ノッポさんをはじめボランティア団体の方々に協力いただきながら開催することができました。
2周年記念ということもあり、私たちの伝えたいものを詰め込んだイベントです。協力してくださった方々のおかげで、いろいろな人にSDGsを達成させる行動の手軽さ、始めやすさ、身近なものであるということを伝える場だけではなく、介護や禁煙、選挙に関する問題について考える場になりました。
【片桐さん】
特に大府市長選挙を目前としていたので、投票率を少しでも上げるため、模擬投票をしたのは面白かったです。私たちメンバーが候補者として公約を掲げ、舞台で演説をしたんです。選挙に対する苦手意識を少しでも改善できたのではと思っています。
~今後の展望は?~
【片桐さん】
メンバーがそれぞれ個々に活動しているものもあり、両角さんや僕は全国に3人しかいない高校生のプロギングリーダーです(大府市では初!)。また、絵を描くのが得意だったり、農業高校に通っていて農業の知識があったり...。これらの個々の力は、個人ではなく団体でも活かせるのではないかと考えています。
(※プロギングとは:ジョギングしながらゴミ拾いをする活動のこと)
【両角さん】
僕たちは現在高校1年生で、高校3年生(18歳)までは未成年です。それまでは、"若者らしさ"、"自分らしさ"全開で、全力で活動に取り組んでいきたいです。
メンバーそれぞれの進路はまだわかりませんが、高校卒業後もプロジェクトskyの活動を続けていきたいです。今後は過去の自分たちと同じような若者たちを支援する立場になれればと思っています。
~彼らから伝えたいこと~
みんなで一緒にSDGsなどの問題に取り組むことは、若者と地域の方との交流が生み出されるだけではなく、街の活性化にもつながるし、環境問題にも貢献できる。何よりも楽しい!良いことばかりなんですよ!あなたも僕らの活動に参加してみませんか?
★プロジェクトskyのホームページ:
https://sites.google.com/view/projectsky125/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
★プロジェクトskyのインスタグラム:
https://www.instagram.com/project.sky1220/