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地域でひろがる、多文化のチカラ vol.2~ 地域で生まれる"ご縁"~社会福祉協議会がつなぐ多文化共生のまちづくり

2026.03.18

地域のつながりを育む社会福祉協議会の取り組み

 名古屋市では、誰もが安心して暮らせる地域づくりを目指し、市内各区に社会福祉協議会(社協)が設置されています。社協は、地域ごとの福祉課題に対応するため、地域住民やボランティア、福祉関係団体、行政などと連携しながら地域福祉の推進を担う団体です。住民同士の支え合いや見守り活動、ボランティア活動の支援、福祉に関する相談対応など、地域のニーズに応じたさまざまな活動やネットワークづくりを進めています。
 こうした取り組みの指針となるのが「地域福祉活動計画」です。この計画は、社協が中心となり、地域住民や関係団体の声をもとに策定される中長期的な行動計画で、現在は第5次計画(令和6~10年)が進められています。「地域のつながりの強化」「支え合い活動の推進」「多様な主体との協働」を柱に、住民とともに地域福祉の具体的な方向性を示しています。
 近年は、少子高齢化や単身世帯の増加、地域のつながりの希薄化など、福祉を取り巻く課題が複雑化・多様化しています。こうした状況を踏まえ、第5次計画では「顔の見える関係づくり」や「気軽に集える場づくり」を重視し、地域の中で自然につながりが生まれる場づくりに取り組んでいます。
 ここでは、中村区と中区で行われている取り組みを紹介します。

地域のご縁づくり「ネパール交流カフェ」@県営中村住宅

  昨年11月のある土曜日の午後、県営中村住宅(名古屋市中村区八社)の集会所は、入りきらないほどの住民であふれました。「ネパール交流カフェ」と題したこの催しには、同住宅に暮らす日本人と外国人あわせて約70人が参加。互いの文化を楽しみながら、にぎやかな時間を過ごしました。

 名古屋市中村区に暮らす外国人は約9,200人(令和7年12月末現在)で、市内16区のうち4番目に多く、その数は増え続けています。最も多い国籍はネパールです(外国人住民の約35%)。なかでも県営中村住宅では、住民の約6割をネパール出身者が占めています。

 近年、集合住宅では「日本人の高齢者」と「若い世代の外国人」という住民の構図が見られますが、中村住宅も例外ではありません。日常生活の中で生まれる「よく知らない」ことへの不安や戸惑いを少しでも解消したい―。せっかく多くの外国人が暮らしている地域だからこそ、互いに理解を深めたい。そんな思いを形にしたのが、今回の交流イベントです。

 中村区社会福祉協議会では、「みんなが安心して暮らし続ける中村区を目指して~みんなでつくる福祉のまちづくり~」を基本理念に掲げ、3つのテーマに基づく「地域福祉活動計画」を推進しています。その一つが「地域のご縁づくり~つながり・ひろげる~」です。多様な分野の人々が交流できる場づくりに取り組んできました。

 今期(令和6~10年)は、特に「外国人」と地域との交流にも焦点を当てています。地域住民や団体が参画するワーキンググループでは、会議を重ねながら外国人をめぐる現状を共有。名古屋国際センターや区内の日本語教室を訪問し、「多文化共生」について学びながら、「知り合う」きっかけづくりを模索してきました。

 そうした中、同住宅の自治会役員を通じて紹介されたネパール人男性とつながりが生まれ、「交流カフェ」の開催へと企画が具体化しました。

 当日は、名古屋国際センター地球市民教室登録講師であり、自身も同区の集合住宅で子育て中のネパール人女性による母国紹介レクチャーからスタート。お抹茶やチャイの体験、けん玉やネパールのお手玉(ゴッタ)、民族衣装の展示など、盛りだくさんの内容で、あっという間の2時間となりました。企画や運営は、町内会をはじめとする地域の皆さんがそれぞれ役割を担いました。

 開催にあたっては、外国人住民が本当に参加してくれるだろうかという不安もありました。「やさしい日本語」とネパール語で作成したチラシを回覧板で回し、顔を合わせた際には積極的に声をかけるなど、丁寧な呼びかけを重ねて当日を迎えました。その結果、集会所に入りきらないほどの参加があり、うれしい悲鳴が上がりました。

 終了後のアンケートでは、「声をかけることで仲良くなれると感じた」「他の国のことも知りたい」「日本語教室があれば参加したい」など、前向きな声が寄せられました。

 多様な国籍の人々が暮らす地域で、住民自身の目線による取り組みは始まったばかりです。この「交流カフェ」で生まれた出会いや発見を、次はどのようにつなげ、広げていくのか。住民たちの話し合いは、今も続いています。

 

 

地域交流イベント「おてら de ごえんまつり」@照見寺(中区正木)

  一方、中区は都心部に位置し、マンションや集合住宅が多い地域です。単身世帯や転入者、独居高齢者も多く、地域住民同士のつながりが生まれにくく、関係が希薄になりやすい傾向があります。また、商業・業務機能が集積している地域であることから外国人の居住や往来も比較的多く、中国、ベトナム、フィリピン、ネパールなど多様な国籍の人々が暮らしています。言語や生活習慣の違いにより、地域との接点を持ちにくい場合もあります。こうした背景から、多様な人々が孤立することなく安心して暮らせる環境づくりが重要な課題となっています。

 この課題に取り組んでいるのが中区社会福祉協議会です。「みんながつながり 笑顔ひろがる まちづくり」を地域福祉活動計画の基本理念に掲げ、住民同士や団体が"ゆるやかに"つながり、支え合える関係を育むことを目指しています。そのための取り組みとして、「つながりづくり」ワーキンググループによる議論が重ねられてきました。地域住民や福祉関係団体、区役所など多様な主体が参加し、世代や立場を越えた交流の機会づくりを検討しています。

 昨年12月7日(日)、正木学区にある照見寺(しょうけんじ)にて地域交流イベント「おてら de ごえんまつり」が開催されました。

 照見寺は明治時代に創建された寺院で、地域福祉や世代間交流の拠点としても活動を広げています。伝統を大切にしながら地域課題にも向き合う"開かれたお寺"として、地域の人々に親しまれています。

 イベント当日は、子どもや親世代、高齢者、障がいのある方など、幅広い世代の地域住民約150人が参加し、境内は温かな雰囲気に包まれました。お寺という場所を活かし、写経や腕輪念珠づくりのワークショップ、お手玉や折り紙、こま回しやめんこなど昔遊びの体験など、多彩な催しが行われました。

 参加者同士が自然に言葉を交わし、世代や立場を越えた交流が生まれる場面も多く見られました。「お寺を身近に感じられる素敵なイベントでした」「ご縁に感謝です」といった声も寄せられ、会場のあちこちで新たな"ご縁"が芽生えていました。

 一方で、つながりづくりという点では、外国人住民や高校生、若者、孤立している人たちの参加は見られませんでした。多文化共生を進めるうえでは、外国人住民への「やさしい日本語」による情報発信や、外国人住民にも届くネットワークづくりが大切です。今回参加がなかった外国人住民を含め、さまざまな方に情報を届ける方法や周知のあり方については、来年度に向けて検討していく予定です。

開催案内ちらし

つながりから生まれる地域の安心

  今回紹介した中村区と中区の事例は、地域の中で「まずは顔を合わせてみる」ことの大切さを改めて示しています。多様な人々が暮らす地域では、小さな出会いの積み重ねが、安心して暮らせるまちづくりへの確かな一歩となるでしょう。

 名古屋国際センターはこれからも、「地域」や「福祉」、「多文化共生」をキーワードに、まちづくりに参画してまいります。

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