2025.02.07
NICに「それぞれの国の家庭で食べられている身近なお菓子を知りたい」と要望が寄せられました。日本では、新年を「おしるこ」「花びら餅」などのお菓子で祝いますが、他国はどのようなお菓子を家庭で食べているのでしょうか?
日本に10年以上住んでいるNIC多言語スタッフに、母国で新年を祝うお菓子についてインタビューしました。
シム ユンギョンさん(韓国)
韓国は旧暦なので、2025年は1月29日が正月でした。韓国人は、とにかく食べます。昔からの「食養生」の教えが今も生きていて、食べ物の色や効能を重視する人が多いです。
韓国のお菓子は、米・ゴマ・ナツメがよく使われます。ナツメは赤い果実で、赤=祝いの色、体を温める効果があるので、ドライフルーツにして普段から食べている方も多いです。日本ではお菓子に小豆(あずき)やあんこがよく使われますね。私も大好きです。韓国では、小豆は冬至に小豆粥にして食べる位で、お年寄りの好むもの、のようなイメージがあります。
新年に食べるお菓子といえば、新年に「떡(餅/トック)」(餅)は外せません。お正月はトックを揚げて、せんべいのように食べる事が多いかな。それから、강정(強精/カンジョン)、매작과(梅雀菓/メジャッカ)、다과(茶菓/タグァ)など、韓国土産でも有名なお菓子は家庭でも食べられています。
でも、韓国は日本以上に「小腹が空いたら、お菓子ではなくご飯をしっかり食べなさい」と言われる事が多いので、お菓子ばかり食べると怒られてしまうかもしれません(笑)
チャン ティ マイ トゥイさん(ベトナム)
今年、2025年のベトナムの新年は、1月29日でした。
ベトナム語 では新年のことを「Tết (テト)」といいます。ベトナムでは昔、漢字を使う文化がありましたので漢字の「節」から来ている言葉です。
我が家では、クリスマスが終わったら日本スタイルのお正月飾りを飾って、1月23日頃からベトナムスタイルの新年の準備を始めます。
ベトナムで新年に食べるものと言えば
「Mứt (ムット)」(乾燥させた野菜や果物の砂糖漬け)と「Ô mai (オーマイ)」(甘い梅干のようなもの)です。お茶うけのような感じで、両方セットで新年に食べます。
日本の干し柿や漬物と同じように、作物の旬に収穫して保存が効くように加工します。新年を祝う食べ物なので、クリスマスの時期に食べたくなっても我慢です。
ベトナムでは、「台所が冷たい(料理をしない)と家庭運が下がる」という言い伝えがあります。台所に神様が宿ると信じられ、台所と家庭が深く結びつく文化があります。新年も、台所の神様に1年の無事を感謝するんですよ。
トゥラダール アスタさん(ネパール)
日本の元日にあたる1月1日は、"National Dhaka Topi Diwas(ナショナル ダッカ トピ ディワス)"という国際的な新年としてカウントダウンをして楽しみます。もし、その日にネパールに観光で来ている人がいたら、"Topi Diwas"と呼ばれる帽子をかぶらせて、ネパールに来てくれたことを祝います。この帽子は、"Mark of National Pride"といって、ネパール人であることを表したものです。でも、最近始まったお祝いの習慣ですので、1月1日は特にお祝いしない人もいます。
そして、本格的な新年は4月に祝います。新年に食べるお菓子と言えば、「योमारी (ヨマリ)」を食べた事をよく覚えています。中に甘いフィリングが入ったお団子です。日本だと大福のような、マシュマロのような感じでしょうか。新年のパーティーでは、私は歌を歌う役目で忙しい1日を過ごす事が多かったのですが、ヨマリの味は今でも鮮明に覚えています。
ネパールでは新年の最初の1日を「The Body Day(体の日)」とも言います。新年に自分や家族の心身の健康を祈ることは、ネパールも日本も同じですね。