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2026.01.10
コロナ禍を経た今、ペットの需要が増えているとも言われます。その一方で、飼い主のペットに向き合う姿勢が改めて問われています。ペットと暮らす日々の中で、日本人だけでなく外国人もさまざまな困難に直面する場面が少なくありません。
本特集では、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」をテーマに、ペットとの持続可能な共生のあり方について考えます。今回は、ペットオーナーである外国人の方々と、
(公社)名古屋市獣医師会が運営する「名古屋市 人とペットの共生サポートセンター」を取材しました。全2回にわたりお届けします。
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vol.1では、名古屋国際センターの外国人スタッフへのインタビューを通して、
ペットを飼う際に感じる困りごとや疑問点など、外国人ならではの視点を紹介しました。ぜひこちらからご覧ください。

今回は「名古屋市 人とペットの共生サポートセンター」(以下「サポートセンター」)を訪問し、本特集vol.1で紹介した外国人ペットオーナーの意見や想いに加え、ペットとの共生や防災について、同センター職員の方にお話を伺いました。
Q. サポートセンターの活動について紹介してください。
当センターは、名古屋市が2020(令和2)年に策定した「名古屋市人とペットの共生推進プラン*」に基づき、同年に設立されました。飼い主の方がペットと楽しく暮らすための支援のほか、地域猫活動やペットの譲渡などの支援、正しい飼い方や動物愛護を普及するための教室などを行っています。
*犬猫の殺処分ゼロの達成・維持など「人とペットの共生するまち・なごや」の実現に向け、2020(令和2)年から2029(令和11)年の10年間において、名古屋市が実施すべき取り組みを総合的かつ計画的に推進するための計画
Q. 市民からはどのような問い合わせがありますか。
最も多いのは、さまざまな理由で飼い主がペットを飼育することが困難になった際の相談です。例えば、引越し先がペット不可、飼主の高齢化や体調不良、経済的な理由などが挙げられます。短期の入院でも、預かり先に困って相談される方や、避妊または去勢手術などの繁殖防止措置を行わなかったため、ペットが繁殖してしまい、世話が大変になって相談される方もいます。
また、のら猫に関する相談も多く、地域の方がのら猫に避妊または去勢手術を実施し、餌やトイレを適正に管理して一代限りののら猫の命を全うさせる地域猫活動を支援しています。
Q. ペットに関する行政案内が日本語のみである現状について、多言語化の予定はありますか。
名古屋市公式ウェブサイトの「ペットと楽しく暮らすために」ページには、ペットに関する基本情報が掲載されています。同サイトには自動翻訳機能が導入されており、関連情報を多言語で閲覧できます。
また、当センターへ相談される際には、日本語がわかるご家族や知人の方と一緒にご連絡いただくとありがたいです。
Q. 外国人ペットオーナーから「ペット保険に入るべきか」との声があります(本特集vol.1参照)。どのように考えていますか。
日本では動物の医療費はすべて自費なので、急に病気になると高額になります。ペット保険に加入することで、かかった費用の一定割合を保険金として受け取ることができます。そのため、「入っておくと安心」と説明しています。しかし、ペットの年齢や家計によって必要性は変わるので、保険料が負担にならない範囲で検討してください。
Q. 昨年8月の「南海トラフ地震臨時情報」発表時、外国人住民から避難所やペット同伴に関する問い合わせがありました。ペットの防災(同行避難)について教えてください。
名古屋市立の小中学校に開設される避難所には、原則としてペットと一緒に避難できます。ただし、災害時に飼い主とペットが同じ場所で過ごせるわけではなく、ペットは雨風をしのげる専用の待機場所で過ごすことになります。車中泊という選択肢もありますが、非常時には必ずしも一緒にいられるとは限らないことを理解しておくことが大切です。
非常時は誰もが平常心ではいられません。ペットが吠えたり粗相をしたりすると、普段なら寛容に受け止められる人でも、冷静に対処できない可能性があります。
また、ペットが狭い環境に耐えられずパニックを起こすこともあります。ワクチン接種や避妊去勢手術を受けていない場合は、健康状態が悪化したり、同じ避難所にいる人や他のペットに迷惑をかけてしまう恐れもあります。そのためにも、日ごろのしつけや健康管理、そして非常時への備えが欠かせません。
さらに、避難所にはペット用物資の備蓄がありません。平常時から、エサ、水、食器、トイレ用品、キャリーバッグやケージなどのペット用の避難グッズも準備しておくことが大切です。
Q. サポートセンターが考える「ペットとの持続可能な共生のかたち」とはどのようなものですか。国籍を問わず、ペットオーナーへメッセージをお願いします。
飼い主の責務として、周囲に迷惑をかけないこと、ペットの健康管理やしつけに努めるとともに、自分に何かあった場合でも家族や知人、ペットシッターなどのペット関係事業者に世話を引き継げるよう、日ごろから連携を整えておくことが大切です。
近年は、ペットの寿命も延びています。「寂しいから」「どうしても飼いたい」といった一時の感情だけで飼い始めるのではなく、自身の年齢や将来の転居の可能性などを踏まえ、「ペットの生涯にわたって本当に世話ができるのか」をよく考える必要があります。
特に外国人の方は転居が多い傾向があるとお聞きしますが、転居に伴い、飼い続けられなくなる事例があります。たとえ愛情を持って育てていても、予期せぬ事情で飼育を続けられなくなる可能性は誰にでもあります。そのような場合に備え、自分に代わって世話をしてくれる人がいるかどうか、愛するペットのためにも今一度考えてみてほしいと思います。
2回の特集を通して、日本人・外国人を問わず、ペットと暮らすうえで抱える悩みは共通する一方、
言語や文化の違いから必要な情報が届きにくい状況があることが分かりました。日本では当然とされる手続きやルールも、外国人にとっては戸惑いやすく、身近に相談できる相手の存在が大きな支えになります。
外国人ペットオーナーたちは、国ごとの文化の違いに苦労しながらも、日本のルールを理解しようと努めてる方がほとんどだと思われます。また、サポートセンターの取材からは、飼育放棄や多頭飼育崩壊、災害時の同行避難など、名古屋が抱える課題も見えてきました。これらは国籍関係なく、誰もが当事者になり得る問題です。
こうした声や取り組みから浮かび上がったのは、「正しい知識」「地域とのつながり」「日ごろの備え」が安心してペットと暮らすための共通の鍵であるという点です。健康管理や災害への備えなど、文化を超えて問われるオーナーとしての姿勢が重要です。
多様な人々が暮らす名古屋だからこそ、お互いの視点を尊重し、誰もが安心してペットと暮らせる持続可能な共生の未来をともに育んでいきたいと思います。
- 名古屋市のウェブサイトではペットに関する記載もあり、自動翻訳機能が導入されているので、多言語でも読むことができます!詳しくはこちら
- The website of the City of Nagoya also includes information about pets, and since it has an automatic translation function, you can read it in multiple languages! For more details, please check here
- O site da cidade de Nagoia também inclui informações sobre animais de estimação e, como possui uma função de tradução automática, você pode lê-lo em vários idiomas! Para mais detalhes, veja aqui
- El sitio web de la ciudad de Nagoya también incluye información sobre mascotas y, como cuenta con una función de traducción automática, ¡puedes leerlo en varios idiomas! Para más detalles, consulta aquí
- 名古屋市的网站也有关于宠物的说明,并且由于引入了自动翻译功能,可以用多种语言阅读!详情请参见这里




