2025.03.04
二村グローバルビレッジセンター
グローバルビレッジセンターは、ソウル市内でも外国人の集住地域に設置され、現在7センターあります。それぞれのグローバルビレッジセンターは、設置された区庁(区役所)が直接運営をしています。二村グローバルビレッジセンターは、ソウル特別市龍山区にあります。龍山区には、韓国ドラマで有名になった梨泰院があります。駐韓米軍基地があり、外国公館が多くある地域です。特に、二村洞という地域は、治安と景観(漢江が近くにあり、公園等が整備されている)が良いため、日本企業の駐在員が多く入居し、日本食レストランも多くあり、「リトル東京」と呼ばれています。地域により利用者の出身国・地域はさまざまですが、二村グローバルビレッジセンターの利用者は、ほぼ駐在員の同伴家族である日本人です。センター内の書棚には、多くの日本の図書が配架されていました。
二村グローバルビレッジセンターでは、行政サービス利用時の通訳サービス、韓国語教室、社会統合・適応(韓国人と外国人の融和)を目的としたフリーマーケットや老人福祉施設等でのボランティア活動、プロッキング(ジョギングしながらゴミ拾い)等を行っています。また、金融機関の日本人職員による金融セミナー(口座開設、海外送金等)、生活相談、法律相談等も行っています。センター内にあるセミナールームでは、韓国語教室のほか、文化体験や日本人学校の保護者会なども行われています。
二村グローバルビレッジセンターの入り口
視察を終えて(所感)
今回、韓国の外国人住民施策について、直接見聞きし感じたことは、韓国国民の賛否両論はありますが、国が率先して外国人を、労働者としてではなく、住民として受け入れようとしていることです。安山市も龍山区も社会統合・社会適応を目的とし、外国人が社会の構成員として、安定的な生活をおくれることを第一に考えています。そして、日本では、多文化共生が国際交流と結びつく傾向がありますが、韓国の場合外国人住民施策は社会福祉の一環としています。この点も、日本と韓国の視点の違いだと感じました。
短い時間での視察だったため、韓国の外国人住民施策の一部分しか見ることができませんでした。韓国も、課題がまだ多くあると思います。しかし、外国人住民施策を社会福祉として捉えていること、外国人の人権、権利保護に積極的に取り組んでいることなど、名古屋国際センターの事業等に生かせていけたらと思います。