2026.09.15
多言語スタッフも来日当初は驚いたり困ったり...
名古屋国際センター(NIC)情報カウンターでは、英語をはじめ、ポルトガル語、スペイン語、中国語、ハングル、フィリピノ語、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語、タイ語の10言語で対応しています。言語により対応日や時間帯は異なりますが、対面や電話等による問い合わせや相談に対応するほか、行政情報などの翻訳に、ネイティブのスタッフが携わっています。
今回は、そんな彼らが日本で暮らす中で、驚いたことや困ったこと、そして周りの人に助けてもらった経験を尋ねてみました。
日本人にとっては「当たり前」のことでも、初めて日本で暮らす人には分からないことがあります。ちょっとした声掛けや説明が、大きな安心につながることも。
多言語スタッフの「日本生活あるある」8つのエピソードから、私たちの毎日の暮らしを少し"やさしく❤"するヒントを探してみましょう。
引っ越しのあいさつ。「あれ、熨斗(のし)紙は?」 episode 1
引っ越した時、近所の皆さんにクッキーの箱を持ってあいさつに行きました。皆さんに喜んでもらえましたが、その時、「熨斗紙がない」と言われました。
私はそれまで、引っ越しのあいさつの品に熨斗紙を付ける習慣があることを知りませんでした。
同じ「あいさつ」でも、その表し方にはいろいろな習慣があるのだと知った出来事でした。
学校でみんなで机を運び、掃除をする episode 2
私は小学生の頃に来日しました。日本の学校で驚いたことの一つが、放課後に自分たちで椅子や机を片付けたり、掃除することでした。
また、学校行事が多いことも印象に残っています。クラスのみんなが一つの目標に向かって一緒に取り組んだ経験は、今ではとても良い思い出です。
学校生活の中にも、それまで知らなかった習慣がたくさんありました。
「アルバイトをしたい」――でも、応募の仕方が分からない!episode 3
日本に来たばかりの頃、家の近くのスーパーでアルバイトをしたいと思いました。日本での応募の仕方をよく知らなかったので、履歴書を持って直接お店を訪ねました。
すると担当者から、「どうして事前に電話をしなかったのか」と注意されました。
私は、応募する前に電話をするというやり方があることを知りませんでした。迷惑をかけてしまったのなら申し訳ないと思いましたが、20年近くたった今でも印象に残っている出来事です。
ごみ出しのルールを教えてくれた近所の人 episode 4
日本で暮らし始めた頃、ごみの分別や出す曜日など、地域のルールがよく分かりませんでした。
ごみ収集場所で困っていると、近所の人が、
「燃えるごみは月曜と木曜の朝8時までに出してくださいね」
と声を掛けてくれました。
今でもごみの分別や出す日は難しいと感じることがありますが、気に掛けてくれる人が近所にいると分かり、安心しました。
「分からない」を「分かった」に変えてくれた区役所 episode 5
日本に来たばかりの頃、住民登録や引っ越しに伴う転出・転入、年金、健康保険などの手続きを難しく感じていました。
そんな時、区役所の職員がいつも丁寧に教えてくれて、とても助かりました。
役所での手続きや法律に関わることは、今でも難しいと感じることがあります。今はスマートフォンの翻訳アプリも利用していますが、分からない時に丁寧に説明してもらえることを、とてもありがたく思います。
人との距離を感じる一方で...... episode 6
日本で人と付き合う中で、私は少し距離を感じることがあります。
一方で、普段通っている場所のスタッフはとても親切にしてくれます。親切に接してもらうと、それまで感じていた距離が少し縮まったように感じます。
「人との距離を感じること」と「身近な人の親切」。その両方があることに、私は少し不思議なギャップを感じています。
降りる駅を間違えた夜、見知らぬ人が...... episode 7
今から35年ほど前、まだ日本の電車に慣れていなかった頃のことです。いつもと違うルートで帰ろうとしたところ、降りる駅を間違えてしまいました。夜7時ごろで、どうやって家へ帰ればいいのか分からず、パニックになりました。
その時、見知らぬ女性が声を掛け、一緒に電車に乗ってくれました。途中の駅で一緒に降り、さらに車で自宅まで送ってくれたのです。
名前も聞きませんでしたが、本当にうれしかったです。今でも忘れられない思い出です。
考えを伝える、その前に episode 8
日本では人と話す際、相手や周囲への配慮をしてから自身の考えを伝えることが多いように感じます。
一方、私が知る中国では、まず自分の考えを明確に伝えることが重視される傾向があります。
どちらが良い、悪いということではありません。考えを伝える順番や表現の仕方に違いがあるのだと感じています。
それぞれの「当たり前」を知ることから
今回、多言語スタッフに日本での生活を振り返ってもらうと、戸惑ったこと、驚いたこと、周りの人に助けてもらったことなど、さまざまな経験が聞かれました。
スタッフからは、
「相手のことを知りたいと思えば、コミュニケーションの仕方もきっと変わる」
「お互いを尊重し、助け合い、異なる文化を理解して、一緒に暮らすことが大切」
といった声も寄せられました。
何を「当たり前」と感じるかは、その人が育った環境やこれまでの経験によっても違います。
相手を知ろうとして声を掛けてみること。分からないことを尋ねたり、伝えたりすること。そんなやり取りから、どのような関係が生まれるでしょうか。本稿が、身近な人との関わり方やそれぞれの「当たり前」について考えるきっかけにしていただければと思います。
困ったときはNICへ
今回ご紹介した多言語スタッフが相談対応や翻訳に携わっています。身近な困りごとや行政手続きなどで分からないことがあるときは、名古屋国際センターへ気軽にご相談ください。
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