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【Vo.2】外国人と防災 ~今後の可能性~

2024.09.25

 台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火など、災害を受けやすい日本。ここで暮らす私たちは、災害と共存するために、日常的に防災知識を身に付けつけ、「防災力」を高めることが求められています。
 現在、日本に暮らす外国人が過去最高となり、その数はまずます増加しています。災害は、国籍を問わず、被害をもたらします。災害時には、平時には見えてこなかった問題が、表面化します。普段、関わりがなかった人たち、言語や文化、習慣が異なる人たちが、避難所でともに過ごす、復旧にむけてともに行動することになります。そのため、外国人の視点も取り入れた防災啓発が、地域で求められています。

 

★本特集は2回(Vol.1~2)の連載で記事を投稿していきます。今回はVOl.2です。

前回の記事(Vol.1)はこちらからご覧ください!

Vol.1では、外国人も防災訓練や避難所生活に積極的に協力できるが、普段からの交流や参加が少ないため、不安や隔たりを感じていることや、防災訓練だけでなく、地域の活動に外国人が参加しやすい工夫が必要だという意見が出ました。このように、外国人も「助ける側」として活躍できる場も広げていく重要性があることがわかりました。Vol2.では、外国人の方々への防災への啓発方法について意見を交わしました。

防災に関心をもってもらうには?行動につなげるには?

 

【朴さん】 

名古屋にずっと住んでいても街でも避難訓練とかしていることを1度も聞いたことがありません。家の表札が外国人の名前だったりして、外国人だとわかると、皆さん声を掛けるのを躊躇しているのではないかと感じます。避難訓練に参加するチャンスがあれば結構変わる気もします。

 

【ポウデルさん】

 SNSでいうと、外国人コミュニティでは、フェスティバルみたいな楽しいイベントのお知らせがほとんどです。

 

【朱さん】 

 学校では、避難訓練を定期的に行っていますよね、子どもだけでなく、親も一緒に参加できるようになるといいですよね。そうすることで一気に多くの人へ防災への知識を提供でき、意識も高められると思うんです。

 

【朴さん】 

 防災訓練に参加したことのない外国人がほとんどだと思ので、年に数回、NICで避難所体験会などを実施して、避難所での受付の仕方や、避難所での活動の練習をやるのはどうかな・・・?

 きっと最初は私たちみたいな関係者だけだけど、マスコミに取り上げられたり、定期開催だったら人が来るんじゃないかな。

 あと、具体的に伝えるのが大切だと思います。避難所と見立てて避難してみるとか、非常持ち出し袋もその人、その家族に必要なものを一緒に準備するとか・・・。

 

【ターニャさん】

 以前、ウクライナ避難民を対象としたイベントで港区にある防災センターに行きました。起震体験をしたり、職員の方から災害時のアプリケーションについて教えてもらいました。今も何かあると、そのアプリを確認していますよ。

IMG_6789 (1).jpg

▲座談会の様子

外国人に情報を伝えるには?

 

【朱さん】

SNSや外国人コミュニティへのアプローチもありますが、私たちが最も有効だと考えるのは学校を活用することです。子どもがお便りやチラシを持ち帰ることで、家族全体に情報が行き渡ります。防災に関心を持つ外国人は少なく、SNSでは情報が埋もれやすいです。また、高齢者はSNSを使わない人が多いのが現状です。

 

【ターニャさん】

ウクライナでは小学生の頃から学校で防災訓練や、防災の勉強しますよ。学校だと一度に多くの人々に知識を広めたり、情報を周知できる良いメリットがありますよね。

 

【朴さん】

 緊急時にSNSで情報が流れてきても、シェアする余裕ってないと思うんです。実は、全国の自治体の約3分の1が、災害情報をシステムで発信しています。一斉配信できるシステムもあり、「避難してください」と配信すると、SNS、電話、ホームページに同時に通知が届きます。さらに、外国人向けに多言語対応のシステムもあります。まず、自分の住んでいる自治体がこうしたシステムを使っているか確認してみると良いかもしれませんね。

  座談会では、「災害時に地域住民同士の共助が必要であり、日本人と外国人の関係構築が重要だ」という話が中心となりました。普段からの触れ合いを通じて異文化理解を深め、外国人に対するイメージを変えていくことが求められます。NICは防災サポーターと共に、日本人と外国人が協力し合える環境づくりを今後も進めていきます。


NICでは、外国人の方々へ防災啓発の事業を行っている他、やさしい日本語を使った防災啓発等の資料を作成しています。ぜひ、ご活用ください!

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